非常によく聞かれる質問です。
ちなみに勤務校では最近は『英単語ターゲット1900』という単語集を採用していまして、数年前は『速読英単語 必修編』を採用しておりました。はたしてどちらがいいのか、あるいは『システム英単語』か、はたまた『DUO』か、ひょっとして『鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁』か、気になる人も多いでしょう。いや、私の意見を聞きたい人はそんないないかもしれませんが。
この5冊のうち、最初の2冊しかよく知らないのですが、どちらもいい本だと思います。ただ『ターゲット』は他動詞。自動詞の区別が書いていないのが決定的欠点で、自分で調べて補う必要があります。『速単』は文章の中で単語を覚えるという試みは良いのですが、そんなにうまく重要な単語が順番に出てくる文章を見つけることは不可能に近く、だいぶ原文を加工しているんだろうなあと思います(たぶん『DUO』にもその傾向あると思います)。『鉄緑会』は分厚くて詳しいですが、しょせん情報という面で言えば、単語集は辞書の劣化版コピーです。詳しければいいというわけでもないところが難しいです。
ところで昔話ですが、今から50年前私が高校生だった頃、世の中に単語集は2種類しかありませんでした。『試験にでる英単語』「通称『でる単』または『しけ単』)、『英語基本単語集』(通称『赤尾の豆単』リンクはたぶん復刻版)の2冊です。(本オタクの)私のことですから両方買った(いや買ってもらった)のですが、結局やったのは『でる単』の方でした。これは今でも上記の5冊よりいいかもしれません(いやそんなことないか)。
ちなみに当時は学校で単語の小テストなどなく、自分で勝手に本屋に行って単語集を買い、自分のペースで勉強するのでした。私は1章ごとにビリっと破いて、ポケットに突っ込んで持ち運んでいました。
では現在、英語のプロたる私(英語力は全然自信ございません)がどんな単語集を所有しているか、まあばらしてしまいましょう。(誰も別に興味ないかもしれませんが。)
書籍版で持っているのが、
『英語を英語で理解する 英英英単語 上級編』
『英語を英語で理解する 英英英単語 超上級編』
『上級英単語 LOGOPHILIA ロゴフィリア』
『速読速聴・英単語 Advanced 1100 ver.5 (速読速聴・英単語シリーズ) 』
『発信型英語10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング』
『16000語レベル 最強ボキャブラリービルディング』
kindle版で持っているのが、
『究極の英単語プレミアム Vol.1 究極の英単語プレミアムシリーズ』
『究極の英単語プレミアム Vol.2 究極の英単語プレミアムシリーズ』
『英検1級 でる順パス単 4訂版』(ちなみに最新版は5訂版です)
今ちょっと調べただけで9冊です。ずいぶん勉強しているような雰囲気ですね。。。。
でも安心してください?ちゃんと取り組んでいる本は1冊もございません。
そろそろ結論を述べてしまいますが、単語集はいらないのです。
あと、学校の先生になってわかったのですが、「単語を覚える秘訣」みたいなものも世の中にはありません。
で、どうすればいいかという話ですが、その前に・・・英語の語彙には〈産出語彙〉(英作文や会話など自分で使える語)と〈受容語彙〉(読んだり聞いたりすることだけできる語)の2種類ありまして、当然数は受容語彙 > 産出語彙なわけです。
産出語彙は中学校の教科書レベルの1,000語と、たとえば『ターゲット』の前半くらいを紙に書いて覚える。これで十分です。
受容語彙はいくつ覚えればいいと思いますか? 3,000語? 5,000語? 誤解している人が多いですが、受容語彙は多ければ多いほど良いのです。5,000語より10,000語、10,000語より20,000語です。
ちなみに、先ほど挙げた私の単語集9冊全部覚えても、早慶入試をカバーできません。
そこで受容語彙は多読から身につけるしかない、という結論になります。
なんで多読がいいのか?それは、大切な語は何回も出てくるからです。
このサイトのPhilosophy for Everyone3-1でcomply withが出てきましたが、わずか数ページのうちに何回も出てきます。しかも前後の文脈の中で覚えますから、身に付きます。
単語集って同じ単語は1冊に1回しか出てこないですよね。そこが違うのです。
多読は語彙レベルも無限です。幼児用の絵本にでさえ、知らない語が出てきます。
今までものすごく英語のできる人何人かにインタビューしましたが、受験勉強で「単語集使っていなかった」という方が多いです。中学の時に『ハリー・ポッター』の原書6冊(だっけ?)を覚えるくらい読んだとか、そういう人が多いです。
あと辞書をよくひくことが肝要です。動詞なら他動詞か、自動詞か、後ろに付くのはthat節か、不定詞か、動名詞か。名詞なら可算か不可算か、コロケーション(heavry trafficみないな2語の組み合わせ)はどうか、「かたい語」か「やわらかい語」か、など。
辞書は消耗品です。箱は捨て、ラインマーカーでがんがん線を引きましょう。そういうわけで、学習者には紙の辞書をお勧めいたします。
結論:「多読」と「辞書」、以上です。