× It is interesting what he says in English. 「彼が英語で言ったことは面白い」
(文の前に×が付いているものは、文法的に誤りであることを示します。)
この文は文法的に間違っています。なぜでしょうか?解答は最後に書きます。お楽しみに!
今回は中学生でも知っているのに、奥が深い形式主語の話です。
形式主語と言えば、「後ろの部分を前のItに代入して意味が通じればOK!」と思っている人も多いと思いますが、それは正しくありません。
なお今回は、形式主語のうちSVCの文型を取るものだけを扱います。
It seems that…やIt goes without saying that…の形は扱いません。
さて主語が形式主語のItでSVCの文を作る場合に、その後に来るものは、【to不定詞】、【動名詞】、【that節(疑問詞節)】だけです。分類してみましょう。
【It+V+C+to不定詞】
*この型には、主節の補語として、easy, difficult, hard, pleasant, painful, dangerous, possible, reasonable, natural, right, wrongなどがあります。
(1) It is difficult to please my father. 「父の気に入るようにするのは難しい。」(補語が形容詞その1)
*この形は、不定詞の目的語を主文の主語に言い換えられます。
→My father is difficult to please. (tough構文(注)が取れる場合)
*この書き換えは不定詞の後に(前置詞を介してでも)名詞を従えていなければなりません。
It is pleasant to stay here.→×Here is pleasant to stay.
(2) It is not necessary to write a letter of thanks. 「お礼の手紙は書かなくても良い。」(補語が形容詞2)
*この形は、不定詞の目的語を主文の主語に言い換えられません。
→×A letter of thanks is not neccesary to write.
(3) It is the custom to shake hands in Britain. 「英国では握手をするのが習慣です。」(補語が名詞)
*形式主語の文では、補語は形容詞であることが普通で、名詞が補語になるのはcustom以外には mistakeなど一部の例に限られます。
*なおこの文でIt is customary to…と形容詞を使うことも可能です。むしろ形容詞の方が会話では自然と考えるネイティブもいます。
(4) It is natural for you to be nervous in public. 「公衆の面前であなたが神経質になるのも当然だ。」
*この形はthat節に書き変えることができます。
*→ It is natural that you are (should be) nervous in public.
*to不定詞からthat節に書き変えることができる形容詞は、naturalの他、right, wrong, fit, necessary などです(【It+V+C+that節】の項参照)。
【It+V+C+動名詞】
(5) It’s no use arguing. 「議論をしてもむだだ。」
*後ろに動名詞が来るのは強い感情的表現を含むものに限られるので、慣用表現だけ学習すれば良いです。
【It+V+C+that節】
(6) It was obvious that they had much in common. 「彼らには多くの共通点があることは明らかだ。」
*補語の位置に来ることができるのは、true, natural, necessary, fit, right, wrong, good, bad, likelyなどの形容詞や、pityなどの名詞です。
【It+V+C+疑問節】
(7) It is not yet certain who will succeed me. 「 誰が私の後任になるかはまだはっきりしていない。」
*疑問詞節もカテゴリーとしてはthat節と同じですから、補語の位置には前述の語が来ます。
(1)~(7)から分かることは、SVCのCの位置に来る語によって、後ろの形が決定されるということです。後ろの部分をItに代入して意味が通じるから形式主語の文章を作れるとは限りません。
(注) 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
英語の形式的統語論において、tough構文 (英語: tough movement) 、あるいは複合形容詞句構造(英語: complex adjectival constructions) とは、遡及不定詞(英語: retroactive infinitive)とよばれる不定詞用法の内の一つであり、次に示す例文のように主節の動詞の構造上の主語が、論理的には従属節の不定詞の目的語となっている構文を指す。
This problem is tough to solve. (この問題を解くのは困難だ)
基本的には難易度あるいは感情、価値判断を示す形容詞の後に不定詞が続く形で表現される。
さて、冒頭の問題の解答を書きましょう。
形式主語+動詞+補語の後ろに付くのは不定詞、that節、疑問詞節、例外的に動名詞であるから、
what以下を関係代名詞節と解釈することは誤りです。
このwhatを疑問詞節と取れば、what he says in Englishが名詞節となり、これは【S+V+C+that節】と同じカテゴリーになります。
要するにItが形式主語でSVC+疑問詞節が付く場合は、補語の位置に来る形容詞がnatural, necessary… その他に限定されるのでした。当然interestingは駄目ですので、この文は間違っているというわけです。