まず、agree with+人、agree to+意見(人以外)と覚えている人がいますが、これは大きな間違いです。そういう人はTOEFLか何かの試験で、Do you agree with this opinion?という文を読んで、自分の間違いに気づくことでしょう。

agree withとagree toの使い分けは、受験参考書に書いてあるほど簡単ではありません。確かにどちらも「同意する」と訳せるため混乱しやすいのですが、英語では「何に対してどんな形で同意しているか」で使い分けがはっきりしています。

表現・ 同意の対象 ・ニュアンスについて簡単にまとめると、以下のようになります。

agree with 人・意見・考えなど(知的・感情的対象) 「その考えや意見に賛成・共感する」
agree to 提案・計画・条件など(行動や契約の対象) 「それを実行・受け入れることを承諾する」

個別にもう少し詳しく見ていきましょう。

【 agree with の用法】

  1. 人に同意する
    I agree with you. (あなたに賛成です。)→ 相手の考え方や意見に「賛成・共感」する意味。
  2. 意見・考えに同意する
    I agree with the opinion that we need more time. (もっと時間が必要だという意見に賛成です。)
    → with + the opinion / the idea / the statement / the view のように、「内容」に対して知的に賛成している。

【 agree to の用法】

  1. 提案・計画・契約などに同意する
    I agree to the proposal. (その提案を受け入れます。)
    They agreed to the plan / the terms / the contract.(彼らはその計画/条件/契約に同意しました。)
    → 実際に「行動に移す」「法的・社会的に承諾する」ような同意。つまり、「やります」と受け入れる感じです。

・・・と思ってわかった気になっていたら、agree with the proposalという英語も見つけてしまいました。実はこの表現も文法的には正しいのですが、意味が少し違います。

agree with the proposal → 「その提案の内容に賛成する」(=その提案は良いと思う)
agree to the proposal → 「その提案を受け入れる/実行することに同意する」
(=実際にそれで行くと決める)

面白い例文を作ってみました。
I agree with the proposal, but I can’t agree to it.
(提案の内容には賛成だけど、それを受け入れることはできません。)

以上は、agreeの自動詞の用法でしたが、agreeにはそう言えば他動詞もありましたね。
agree that S V の構文になると、ニュアンスが少し変わりますが、「何に対して同意しているのか」という点では agree with と共通する部分もあります。まとめてみましょう。

agree with 人/意見/考え → 同意する対象が名詞 (「〜に賛成する」「〜と意見が同じである」)
agree that S V → 同意する対象が「文(=意見の内容)」(「〜ということに同意する」)

例文で検討してみます。
I agree that we need more time. (もっと時間が必要だという点に同意します。)
この場合、「もっと時間が必要だ」という意見の内容そのものに賛成していることを示します。
つまり、agree with the opinion that we need more time とほぼ同じ意味です。

agree that S V は、形式的・明確に「〜という主張/意見」を受け止めており、agree with … よりも、意見の具体的な中身を強調できます。また、文体的には agree that の方が 自然で簡潔で、特に口語ではよく使います。

参考までにagree that と agree to の違いも見てみましょう。

I agree that we should start early. (早く始めるべきだという意見に賛成です。)
→ 思想・意見への同意。
I agree to start early. (早く始めることを承諾します。)→ 行動・約束への同意。

つまりagree that が「そういう考え・主張に賛成」なのに対し、agree to は「実際にそれを行うことを受け入れる」のです。

投稿者 shobota

都立高校で40年以上英語を教えている教員です。哲学や倫理に関心があります。

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