最初に、今回ジェンダーについて考察する際に参考にした書籍を紹介します。
『ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた』
とても読みやすく、興味深い論点が含まれているので、ぜひお手に取ってみてください。この本からトピックをお借りして、私の経験を交えて考察を進めていきます。
さて今回のテーマは、最近埼玉県でも問題になりました「共学か、それとも女子校・男子校か」です。先に告白?しておきますと、私自身現在問題になっている埼玉県の公立男子校出身です。50年くらい昔の話ですが。
埼玉県は当時から〈いわゆる学区のトップ校〉だけ女子校・男子校に分かれていて、それ以外は当時も共学でした。今と違うのは、受験できる学区が決められていたことで、どんなに成績が良くても隣の学区の学校に進学することはできませんでした。そういえば、都立も学校群制度がありましたね。
どうも私は性的な?発達が遅れていたようで、今なら男子校など行かず(とはいえ学力に合った高校に行きたいので)、都内の共学の国立附属でも目指すと思います。いやあ、貴重な青春の一時期を無駄にしました。
冗談はさておき、私は男子校に入学することにも特に何も感じませんでした。私の高校はいわゆる〈旧制高校〉の雰囲気を残しており、服装は完全に私服、高下駄に紙の傘さしてくる生徒までいました。今思えば、男子校だなあと思われるエピソードがいくつかあります(エピソードの中身は今では倫理的に許容されないものもあるとは思いますが、50年前ということでご容赦ください)。入学当初「入学を歓迎する会」が近くのホールで行われ映画が上映されたのですが、その映画でいきなり女の子の裸がばーーんとアップで出てきて、私は「大丈夫なの?」とそばにすわっている先生(男性)の顔を見ると、先生も笑っているだけでした。あとは姉妹校?の女子校のマンドリン部が演奏に来て公演の準備をしている時に、教室で誰かが「女の子が歯を磨いているぞ!」とか言って、皆で走って洗面所まで見に行った(私は行った記憶ないですが)という信じられないような話もあります。
私の話はこれくらいにして、共学と女子校・男子校のメリット・デメリットを検証していきましょう。
この後、書籍からの引用部分は「 」で示します。
「 」内の( )は引用者の補足、それ以外の部分は私の記述です。
なお同書で〈女子校〉となっている部分は、男子校に置き換えても通じるものもあれば、通じないものもありますが、ここでは女子校を念頭にお読みください。
別学のメリット(共学のデメリット)
1「共学校でセクシズムが再生産されている」(「グループでリーダーになるのは男子」のような〈隠れたカリキュラム〉がこの再生産を生み出します。)
2「女子校ではジェンダー・トラックが形成されにくい」
(「女子校では性別を理由とした進路選択に対する制約が、共学校よりも少ない」)
3「トランスジェンダー女性が安心してが学べる環境を提示することができる」
別学のデメリット(共学のメリット)
1「(女子校は)逆にセクシズムを強化してしまう」(「生徒たちが良妻賢母以外の選択肢を選べない」など)
2「名門女子校の存在が階級差を反映し、女子内部の分断を引き起こしてしまう」(「「エリート型」をめざす学校と「良妻賢母型」をめざす学校の2つに分かれる」)
3「これ(脳の性差)を別学の根拠に求めることはきわめて短絡的」
上記のように共学、別学にはそれぞれメリット、デメリットがあります。ですから問題なのは別学ではなく、〈志願する生徒が自分の学力と自分の考え方に合う学校を選べないこと〉なのではないでしょうか。
埼玉県の場合で言えば、いわゆる〈トップ校〉のみが別学であることの方が問題に思えます。学力のいろいろな層において、共学と別学両方に進学できる機会を提供することが理想的と思います。このことは現在議論されている別学を共学化する流れに逆行することになってしまいますが、皆さんはどのようにお考えですか。
ここで読ませていただいた限りですと、ここで挙げられているメリット・デメリットはどちらにも当てはまる内容であったり、同じ対象を違う視点から見ただけであったり、そもそも共学・別学の性質ではなくその語りの問題であったり、あまり納得のいかない内容でした。
読んで思ったこととしては、これらの(デ)メリットに基づいて問題提起をするのであれば、ジェンダー・トラックを形成している主体と制度の実態を紐解き上下からの意識変化を進める必要がある、セクシズムを脱構築して新たな性意識を教育に加える必要がある、といったことが挙げられるのかなと思ったのと、恐らく少なくともこれに近しいことは既に研究されてそうな気がするのでこれらの主張に対する批判などはどのような主張がなされてるのか、それに対する言及はなかったのかなどが気になりました。
また、LGBTQIA+に考慮するのであれば男性/女性という枠組みの存在があまり適切ではないため、別学のメリットとして挙げられてますがどちらかと言えば共学のメリットだと思います。